青果流通に特化した週刊専門紙
最新号(12月9日付号)より
- 社会変革にどう対応 持続性確保の方策 生産者支援、AI活用 卸売市場政策研究所
- 卸売市場政策研究所(細川允史代表)では、東京・豊洲市場で第11回「卸売市場新制度研究会」を開催した。テーマは「わが国社会の将来と卸売市場のあり方」。社会全体が人口減と高齢化、物流問題、生産環境の変化など大きな変革期に入ったことを前提に、変革する将来における卸売市場のあり方を考察。細川氏は卸売市場の持続性を確保するため「改正卸売市場法下での部類を超えた取扱品目の拡大、市場外流通との融合化、取引方法としてのプラットフォーム方式」や「AIの活用による担い手不足への対応」「生産者支援」などを提起した。
- 桃山学院大学フードビジネス研究室 ゼミで青果市場を研究
- 桃山学院大学ビジネスデザイン学部長(大阪府阿倍野区)の菊地昌弥教授のゼミ「フードビジネス研究室」では、2021年度から青果卸売市場流通を専門に研究するカリキュラム(週1回)を設定。現在は約20人の4年生が在籍している。同ゼミでは東果大阪(大阪市中央卸売市場東部市場)の協力を得て、定期的に同社での研修も行っている。先月28日には、本紙宮澤信一社長が「卸売市場の現状と活性化に向けて」のテーマで講義。市場業者の経営不振の要因や経営格差拡大の状況などを解説したのち、近年進んでいる同業者同士あるいは異なる業態との資本統合例を紹介した。
- 第13回野菜ソムリエアワード 金賞に根本早苗さん
- 日本野菜ソムリエ協会(福井栄治理事長)は、全国約6万人の野菜ソムリエが1年間に活動した内容や実績を表彰する「第13回野菜ソムリエアワード」を開催した。野菜ソムリエ部門の金賞は、「あったらよいな」を形にした「楽ベジペースト」の商品開発や、野菜冷凍レシピ本の出版、防災食としての野菜冷凍講座を各地で展開した活動が評価された根本早苗さん(神奈川県)が受賞。また野菜ソムリエグループ部門の金賞は、8年間続けている「たすベジ」プロジェクトの活動が評価された、野菜ソムリエコミュニティかながわ「たすベジ」プロジェクトが受賞した。
- 栃木産イチゴ 販売額300億円へ 25年産 出荷量の8割「とちあいか」
- JA全農とちぎなどは卸売市場業者などを招き、都内で「いちご王国・栃木 流通懇談会」を開催した。JA全農とちぎによると、昨シーズン(2024年産)の販売額は289億3300万円で、前年産に比べて8.3%増加し、過去最高を更新した。25年産は24年産比3.7%増の300億円を計画。出荷量は2万2410㌧で、このうち8割をとちあいかが占める。イチゴ栽培においては、担い手の不足や資材費の高騰などと厳しい環境にあるが、「産地が一体となり、販売先からの信頼確保のため、『栃木のいちご』の安定供給および品質確保を優先的に取組む」(園芸部)とする。
- 「急速冷却システム」開発 エア・ウォーター
- エア・ウォーター(大阪市中央区)は、産業ガス事業で培った極低温技術と液体窒素の冷熱を利用して青果物等を急速に冷却できる「急速冷却システム」を開発した。今後、産地や業者にて鮮度保持の実証試験を開始する。 同システムは、グループ会社のエア・ウォーター北海道・産業ガスの極低温技術を活用。液体窒素の冷熱を短時間で効率的に青果物に供給できる可搬式装置となる。
- 食品ロス削減でセミナー 東急ストアなど事例紹介
- 流通経済研究所は、食品関連事業者を対象に食品ロス削減に向けたセミナーを開催した。農水省が政府の方針などを解説し、メーカー、中間流通、スーパー、コンビニ企業がそれぞれ取組みを紹介した。
- GAP Japan 2024シンポ 農水省 国際水準普及へ JAグループは「するGAP」支援
- 日本GAP協会は先月27日、「GAP Japan 2024」シンポジウムを都内で開催した。行政や国際団体による講演や取組み事例の紹介など、GAPの普及に関するさまざまな情報交換がなされた。農水省はGAPの推進方策について、JAグループはGAPに関するこれまでの取組みと今後について発表した。また、当日は「GAP Japan アワード」表彰式が行われ、青果に関連する取組み3事例が選出された。
- 西洋ナシ 「ル レクチエ」解禁 認知拡大へ魅力PR 新潟県が都内でイベント
- 新潟県は、県推進ブランド品目の西洋ナシ「ル レクチエ」の今年度の解禁イベントを、先月25日に都内ホテルで開催した。今年の解禁日は11月22日。同イベントの東京での開催は初となる。冒頭で挨拶した花角英世県知事は、「香水のように香りが強く、甘みが強く、舌ざわりがよいのがル レクチエの魅力。全国の生産量の8割ほどが新潟県で栽培されているが、全国的な認知度はまだまだ。多くの人にル レクチエの魅力を知ってもらいたい」と熱く語った。
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